東京金融取引所(TFX)が手掛ける取引所為替証拠金取引「くりっく365」は、3月の取引数量が前月比45.7%増の335万0679枚、1日の平均取引数量は14万5683枚と前月比で増加した。月末時点の証拠金預託額は3765億円と前月比で約527億円減少した。取引通貨量では、米ドル、トルコリラ、メキシコペソ、英ポンド、南アフリカランドの順となっている。一方、取引所株価指数証拠金取引「くりっく株365」は、3月の取引数量が前月比49.5%増の362万7573枚、1日の平均取引数量は17万0097枚(昨年10月26日に上場したリセット付商品の1日平均も加算)と前月比で増加した。月末時点の証拠金預託額は483億円となり、前月比で約213億円の減少となった。<br/><br/>取引数量トップは米ドル・円の85万7783枚(前月比94.3%増)であった。新型コロナワクチンの接種ペースが加速するなか米国では景気回復期待を通じたインフレ期待が高水準で持続。米国10年物国債利回りも高止まりとなり、日米金利差を背景に投機筋の「円買い・ドル売り」ポジションの巻き戻し(円売り・ドル買い)が続いた。ドル高基調のなか3月下旬には1ドル=110円を突破する場面もみられた。トルコリラ・円は58万2534枚(前月比68.4%増)。エルドアン大統領が大幅利上げを実施したアーバル中銀総裁を更迭。新総裁のカブジュオール氏は過去に利上げを批判していた経緯があったことから利下げ観測が高まり、リラは対円で急落した。<br/><br/>4月の豪ドル・円は堅調か。景気回復が進むなか鉄鉱石などの資源価格の上昇・高止まりが続いており、資源国であるオーストラリア経済の先行きの明るさが高まっている。また、主な輸出先である中国経済も好調が持続しており、中国への輸出増を通じた景気回復の継続も見込まれる。米国の長期金利の上昇が一服していることで、対ドルでの軟調さも緩和され、これが対円での堅調さを強めてくれそうだ。トルコリラ・円は弱含みか。新総裁のカブジュオール氏は「インフレ率の低下が達成されるまで引き締め姿勢を維持する」などと発言したことで、過度な利下げ警戒感が和らぐとともにリラはやや持ち直した。ただ、リラの反発力はまだ鈍く、大統領の度重なる金融政策への介入が不透明感を強めているもよう。次の金融政策決定会合での内容を見極めるまでは大きな戻りは期待しにくいだろう。<br/><br/>

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